先日、電車の中で男性上司と女性部下と思われる方々の会話が耳に入ってきました。
「さっきの説明よかったよ」
「いえいえ!とんでもないです!○○に関する説明が不十分でした!」
「でも、お客さんも納得してたから、よかったと思うよ」
「いえいえ!私なんて全然だめです!」
こんな調子で、女性の方は上司の方に褒められても何度も謙遜していかに自分ができていないかを主張していました。
あなたもこの女性のように上司からの褒め言葉を受け取れなかったり、過剰に謙遜したりしていませんか?
なぜ、褒め言葉を受け取れないのか?
この電車の中の女性のように「褒め言葉を受け取ることができない」という方は実は結構多くいらっしゃいます。
相手が自分のことを褒めてくれたり、認めてくれたりしても
「そんなはずはない」
「私のことをからかっているに違いない」
と、どうしても相手の言葉を信じられないということが起こるんですね。なぜこう思ってしまうのかと言うと、こんな思いが心の根底にあるからなんです。
「自分はダメだ」
自分はダメなのだから、人並みになるには死ぬほど努力しないといけない、と無意識に思い込んでいる傾向が強く、人からの褒め言葉を信じられないんですね。
また、褒め言葉を受け取らずに「いえいえ、私なんてまだまだです」と謙遜することで、相手から「そんなことないよ」と言ってもらいたい、と無意識に思っている方も多かったりします。
「そんなことないよ」と言ってもらうことで、自分の中の「私はダメだ」という気持ちを癒してもらいたい、安心したい、と思っているんですね。
でも、たとえ相手が言葉を尽くしてもらっても、実は安心できないし、満足できないケースが殆どです。
なぜなら、本当に欲しい人からの言葉ではないからです。
あなたが本当に「よく頑張ったね」「よくやってるね」と褒めてほしかった人は誰でしょうか?
さらに、「私、ダメなんです」と思い続けていると、周囲に向かってそのメッセージを言語・非言語で発信し続けていることになるんですね。
そして、そのメッセージを受け取った相手は「そうか、あなたはダメな人なのね」と捉えるようになり、本当にあなたをダメ扱いしてくることもあるんです。
こうなってくると、「私はダメだ」という思い込みは早く手放すに越したことはないですよね。
褒め言葉を受け取れるようになるには?
まずは、自分自身が自分に対して「よく頑張ってきたね」と、これまで頑張ってきた自分を認めてあげることが大切です。
そして、「よくやってるよ」と、褒めてあげることです。
これを、小さい頃の自分を褒めてあげるように、自分に語り掛けてあげてください。そこで、なにか抵抗感や違和感が出るようなら、「今、自分は何を感じているのかな?」と湧き上がった感情にフォーカスしてみてください。
「まだまだ頑張りが足りないし!」とか「このままじゃダメだ!」といった抵抗感が出てくるようなら、そうやって自分を一生懸命駆り立ててきたんだね、と抵抗する自分にも寄り添ってあげるのが理想的です。
でも、人の褒め言葉を受け取らずに努力し続ける人は、とっても頑張り屋さんで、なかなか自分を認められない、と思う人が多いんですね。一人では自分に寄り添うことが難しかったり、人の褒め言葉を信じられない、という思いが強い場合は、心理セラピーやカウンセリングがお力になれるかもしれません。
しんどい時は、プロの手を借りる、ということも選択肢に入れてみていただければと思います。
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